それはきっと、君に恋をする奇跡。



****



「あらお帰り。どうしたの?こんなに早く」



家に帰ると、びっくりした顔のお母さんに出迎えられた。


入学式から帰ったばかりみたいで、まだスーツ姿のまま。



「お昼は真由ちゃんと食べてくるんじゃなかったの?用意してないけど、どうする?」



そうだ。


真由ちゃんとお昼を食べる約束してたんだった。



はぁ……。


さっきのあたし、相当感じ悪かっただろうな。


完全に八つ当たりだよね。



……ごめん、真由ちゃん。



心配してくれた真由ちゃんに暴言を吐いたことを今更後悔した。



「……お腹すいてないからいらない」



食欲なんてまったくないし。


ぼーっとしたまま、部屋に行こうとすると。



「そういえば、手紙来てたわよ」



……?


お母さんの言葉に、意識のスイッチが入った。



「手紙!?どこっ!?」

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