それはきっと、君に恋をする奇跡。
「遥輝は……もう3年も前から病に侵されて……入院してんだ」
「うそっ……!」
そんなの信じるわけないじゃん。
「だって手紙でやり取りしてたもんっ……!」
手紙の中のハルくんは、いつだって輝いていた。
「ハルくんは……ずっと野球を頑張ってたもんっ……!」
レギュラーを取って、大会に出て……
「嘘ついてまでそんな手紙書く意味なんてないじゃん!」
わけわかんないよ。
病気なのにそんな手紙を送ってくるなんて、普通じゃありえない。
「そんな嘘信じないから!」
「嘘でこんなこと言わねえって……!!」
逃げ出そうとするあたしを、蒼がものすごい力で掴む。
「俺だって……こんなこと言いたくねえよっ……!!!」
見たこともないくらい顔をクシャクシャにして、瞳には涙をたくさん浮かべて。