それはきっと、君に恋をする奇跡。
*第4章* 蒼side
出会い
【蒼side】
「永井遥輝です。よろしくお願いします」
6年生の2学期、ひとりの転入生がやって来た。
6年生にもなると真面目なのがダサいと思うようになり。
人と違うことをしてみたり、サボってみたり、ワルぶってみる文化がクラスの中にも入ってきて。
俺はその先頭を切っていた。
そんな中、転入生の遥輝はものすごく優等生で、そのくせリーダー性も発揮し始める。
そのおかげでクラスの隅に追いやられていた真面目グループが、自分たちは正しいんだと態度で主張するようになり。
俺にとってはすごくやりにくい環境になりつつあった。
秋の運動会に向けて、組体操の練習が始まった。
裸足で痛いしダルいし暑いし……
どうやってサボろうか……そんなことばっかり考えていた俺とは対照的に、遥輝は汗を流して活き活きと練習していた。
そんな遥輝のことが、俺は面白くなかった。