それはきっと、君に恋をする奇跡。



「いや、それはっ……」



すると、途端に遥輝は顔を赤くした。


あれ?

こんな遥輝、はじめて見る。


見たこともないくらい照れた様子で、マロの体に顔を隠すように押し付ける。



「なんだよ~、言っちゃえよ~」



顔なんてもう真っ赤だ。

そんな遥輝を見るのが嬉しくて楽しくて、俺が更に追及すると観念したように口を割った。



「……同じ高校に行こうって約束した子がいるんだ」


「それって女の子だろ!」



ピンときた。



「……うん、まあね」


「え、もしかしてつき合ってんの?」


「ううん。コクれないまま転校しちゃったから……」


「んだよバカだなー。それじゃもうダメじゃん」



俺はパチンと膝を打つ。



「だから約束したんだよ。桜園高校で再会しようって」


「すごっ!!てことは、向こうも遥輝が好きなんだよな?」


「どうかな……わかんない……」
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