それはきっと、君に恋をする奇跡。
ピアスに賭けた願い
「野球部終わったか!」
「ちょうど今終わった!バスケ部も終わり?」
「終わった終わった。なんか食って帰ろうぜー」
中学に上がった俺達。
遥輝は野球部、俺はバスケ部と選んだ部活は違ったが、時間が合えば一緒に帰り、俺たちの仲の良さは変わらなかった。
「最近、足が痛いんだ」
遥輝が初めてそう告げてきたのは、中2の春。
同じクラスになれたことを喜び、クラスにも馴染んできたころだった。
「筋肉痛かな」
そう言って、太ももからふくらはぎに掛けてを揉む遥輝。
「毎日野球やってる遥輝が今更筋肉痛になるか?」
「だよな。筋トレが合ってないのかな……」
「あっ!それもしかして成長痛かもしんねえぞ?身長が急激に伸びるときって、すげー膝が痛くなるんだよ」
小学生の時、夜は痛くて眠れないほど膝が痛い時期があった。
その年は1年間で10センチも身長が伸びた。
「だったらいいな!」
あと20センチは欲しいといつも言っている遥輝は、期待に胸を膨らませるように笑った。