それはきっと、君に恋をする奇跡。
遥輝はそれからしばらく入院していた。
膝の痛みを訴えると、念のため検査することになったらしい。
それにしても、1週間は長すぎる。
遥輝がいないと学校もつまんねえし……。
来るなと言われたけど痺れを切らして病院へ行くと、遥輝にこう告げられた。
「足の痛みの原因、骨肉腫(コツニクシュ)だって」
「骨肉腫?」
聞き慣れない病名に、俺は首をかしげる。
「ほら、ここ」
遥輝がパジャマの裾をまくると、異様な腫れ方をした膝が姿を現した。
「……!!」
確かに足が太くなったような印象があったが、筋肉がついたんだと思っていた。
……こんな風になってたのかよ。
「確かに腫れてんな」
それを見て心臓がバクッ!と大きく波打ったが、顔に出さないように冷静に言う。
「だろ?普通じゃないよな、ははっ」
「それを取れば治るんだろ?」
遥輝は笑いながら言うから、大した病気ではないんだと思った。
「うん」
遥輝は治療のため、しばらく入院すると言った。