それはきっと、君に恋をする奇跡。



不安でたまらない、ものすごい長く感じる毎日を過ごし……。


ようやく遥輝からLINEが来たのはそれから2ヶ月後のことだった。



【最近調子いいんだ。顔見せに来いよ】



俺はすっ飛んで行った。




「蒼っ!」


「遥輝!!」



久しぶりに遥輝の顔を見て、俺はうっかり泣きそうになってしまった。


頭には毛糸の帽子。

遥輝の親から聞いていた通り、治療の副作用で髪の毛は抜け落ちてしまっているようだが、経過は良好らしく思ったよりも元気そうに見えた。



「そうだ、売店にうまいプリンが売ってるんだ。火曜日だけに販売される幻のプリンだぞ!買ってくるから待ってろよ」



遥輝はベッドから起き上がり、スリッパをはこうとするから。
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