それはきっと、君に恋をする奇跡。


悪ぶってるのがカッコイイ文化は、中学に入っていっそう強まり。

いわゆる不良と呼ばれる奴らも同級生に数人いる。

そいつらとも割と仲は良いが、つるんでるわけじゃない。

あとで遥輝に勉強を教えてあげられるように、一生懸命授業だって聞いてんだ。

不良と遊んでる暇なんてない。



「……ったく俺がいないと……しょうがないなあ」



なんて遥輝は苦笑いしながらも。



「さすが蒼だな。よく似合ってる」



そう言って褒めてくれて。



「じゃあ、ちゃんと穴が出来たら俺がピアスをプレゼントしてやるよ!」



……マジかよ。

遥輝がくれたピアスをつけて願掛けって、ご利益ありそうだな。



「ああ、センスいいのにしてくれよ」





遥輝は約束通り、一時外泊の許可が出た時にネットで見つけたというピアスを俺にくれた。


シンプルだけど、シルバーのとても綺麗なピアス。


心して、それをつけた。


そして決めた。


遥輝にもらったこのピアスを。


遥輝の病気が完治するまでは、外さないと……。
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