それはきっと、君に恋をする奇跡。


わざわざ日にちを指定してまで届けられた手紙。


ドクンッ、ドクンッ。


心臓の音が早くなる。


手にも汗が滲んでくる。


この中に、なにが書いてあるんだろう……。


それでもハルくんからの手紙はやっぱり嬉しくて、でも少し怖い気持ちでそれを持って部屋へ駆け込んだ。




「ふう……」



震える手で封を開ける。


深呼吸して便箋をとりだすと、懐かしい文字が目に飛び込んできた。


ハルくんの性格を表したような、丁寧で力強い文字が。



一度目を閉じて呼吸を整えてから。


ゆっくりと、文字に目を落とした。
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