それはきっと、君に恋をする奇跡。
「蒼っ!」
そんな蒼の姿に、たまらなく胸が熱くなる。
あのまま、ほんとに学校に戻って来れなかったらどうしようかって不安だった。
一日、一日、祈るような思いで蒼を待ち続けてた。
……やっぱり蒼は……蒼だったね……。
「陽菜、ありがとな」
久しぶりの笑顔が、朝日に照らされる。
「ううんっ、お礼を言うのはあたしの方……」
まだ伝えてなかったね。
「ほんとうに、ありがとうっ……」
今まであたしにしてくれたことすべてへ。
「……ありがとう……」
最後にハルくんの元へ連れて行ってくれて。
あ、やだ。
涙が出てきちゃった。
「ほら、ここで泣いてどうすんだよ」
───ポン。
頭の上に、蒼の手のひらが落とされた。
「……っ」
いつもの蒼の仕草に、久々に胸がきゅんと音を立てた。