それはきっと、君に恋をする奇跡。
それから3カ月が過ぎ。
だんだんと陽の光が温かくなってきた3月。
このクラスとももうすぐお別れだねーなんて、柄にもなく真由ちゃんと感傷に浸っていると。
「ねえ、陽菜。正直に答えてね」
その余韻を残しつつ、振られた話は思いがけない内容だった。
「うん?」
「蒼のこと、まだ好き?」
「……っ」
前みたいに、笑い合えるようになったあたしと蒼。
そんなあたし達をうれしそうに見守りながらも、真由ちゃんはこの関係にもどかしさを覚えていた様。
「……どう、かな……」
今は、"同志"
ハルくんをつながりとして、あたし達の関係は成り立っている。
蒼が好きとか、そんな感情は二の次だった。
蒼だってきっと迷惑するだけ。
あたしは……"親友の好きだった人"
告白しようとしたときの戸惑いも理解できたし、あんなのを見ちゃったら……もうそんなこと口には出来ない。
「蒼とは、ずっと友達でいられたらそれでいい……」
これが今のあたしの本音。
「……そっか」
真由ちゃんは、少し淋しそうに笑っていた。