それはきっと、君に恋をする奇跡。


陽菜へ。




陽菜

びっくりした?

俺からメールが届くなんて、想像してなかったでしょ

でも、陽菜がこのメールを読んでるってことは、陽菜は俺の病気を知って、俺はもう……この世にいないんだね……

そう考えると、やっぱり少しツラいな



陽菜

もしかしたら、いや、きっと困らせてしまうと思うけど

陽菜に伝えたいことがあります

どうか聞いてください

俺は、陽菜のことが大好きでした

優しいひまわりみたいな笑顔に一目惚れしました

告白できなかったこと、少しだけ後悔してたんだ

だから、高校で再会したら絶対に告白して彼女にするんだって勝手に決めてた、笑

それはもう叶わないけど、今こうやって伝えられたから悔いはないです



陽菜

嘘ついてごめんな

どうしても、陽菜には病気のことを知られたくなかったんだ

陽菜には、俺の元気な記憶だけを残しておきたかった

でも蒼のことだから、きっと最後には伝えるんだろうな

なんとなくそう思ってる

蒼って、お節介なとこあるからな、笑

でも俺、陽菜と同じくらい蒼が大好きなんだ



陽菜

俺……最後に陽菜に会えたかな……

蒼には陽菜を連れてきたら絶交だなんて言ったけど

本当は会いたかった

陽菜の声が聞きたい

陽菜の笑った顔が見たい

陽菜に触れたい

いつもずっとそう思ってた


だからきっと俺、最後に陽菜に会えたよな……?

最後に陽菜の笑った顔が見れていたら、俺は今きっとすごく幸せな眠りにつけているはずです。



だから陽菜

陽菜も幸せになって

陽菜には今、すごく大切な人がいるはず

きっと、今も一番近くにいるはず

前へ進むことをどうかおそれないで

陽菜の想いを届けて


どうか、幸せになってください

どうか、いつも笑っていてください

どうか、元気でいてください


俺と出会ってくれてありがとう

俺の人生に陽菜がいてくれて幸せでした

本当に、ありがとう



また、いつか会える日まで

さようなら



永井遥輝


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