それはきっと、君に恋をする奇跡。


蒼が……あたしを……?



「だからこそ、あのとき陽菜の言葉が聞けなかったんだ。ごめんな……」


「……っ、蒼っ……」



一方的な想いだと信じて疑わなかったあたしの耳に。


確かに届いた、蒼からの、"好き"


心が、ふるえる……。



そして、あたしは気づいてしまった。



「それ……」



蒼の左耳。


ハルくんの……シルバーのピアスが……。



「……どう?似合ってる?」



あたしがあげた、ビタミンカラーのピアスに変わっていたんだ。


ピアスがよく見えるように耳に髪を掛けて見せてくれる蒼。



「……っ」



蒼っ…………!



「やっと外す決心がついたんだ」



そう言って首元に手をやると、服の下からネックレスが顔を覗かせた。



「遥輝のピアスは、この中に入ってる」



その先はペンダントになっていて、それを優しく握りしめる蒼。
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