それはきっと、君に恋をする奇跡。
「ついて来ないでよ」
「って言われも、俺も行くとこ同じだし、へへっ」
「……」
なに一つ言い負かせないなら、黙ってるしかないよね。
諦めて、教室に入り無視を貫いて自分の席に座っても。
「今日もあちーなー。ほら、特別に風を分けてやる」
隣の席の水瀬くんからは逃げられず。
下敷きをパタパタ仰ぎ、あたしにも風を送ってくる。
……はぁ。
疲れる。
……けど、正直言うとちょっと涼しい……。
4月なのに今日は朝から日差しが強くて、登校してきただけで体が少し汗ばんでるから。