それはきっと、君に恋をする奇跡。


そうポツリと言うと、真由ちゃんはゆっくり言葉を落とした。



「ほんとに……野球部のマネージャーをやらないの?」


「え?やるわけないよ」



あたしは当然のように言った。



「……陽菜ぁ……」



真由ちゃんは眉根を下げて、あたしの肩に手を乗せる。



入学式の日、真由ちゃんに暴言を吐いてしまったことはすぐに謝った。


そして、一度も見せたことのないハルくんの手紙を、今回はあまりの悔しさに見せたんだ。


それ以来、学校では落ち込むあたしをいつも励ましてくれるし、家に帰ってからもくだらないラインや画像を送って来ては笑わそうとしてくれてる。



「野球なんて……キライだもん」



少し声が震えたけど、ウソじゃない。


野球になんて関わりたくないの。


マネージャーをやる話も、ハルくんが居るならって意味だったんだから。
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