それはきっと、君に恋をする奇跡。
「でも遥輝くん……甲子園で会おうって言ってるじゃん。ちょっとスケール大きいけど」
先に事実を伝えなかったことはハルくんが悪い。
それでも、ハルくんの言葉にウソはないんじゃないかって真由ちゃんは言うんだ。
必死にフォローしようとしてくれる真由ちゃんの気持ちはわかる。
友達だったら、なんとか可能性を残そうとしてくれる気持ちが。
あたしだって、逆の立場ならそう言うかもしれない。
でもね。
「そんなの面倒な女の子をあしらう手段なんだよ。ほんとに会いたいと思ってるなら、甲子園じゃなくたってどこでも会えるんだし」
だから、あたし自身がちゃんと現実を見なきゃ。
ハルくんの気持ちは、あたしに1ミリもないってことを……。
「それをわざわざハードルあげて甲子園で再会って。笑っちゃうよねっ」