それはきっと、君に恋をする奇跡。


優等生だけど、それを鼻に掛けることもなく、誰ひとりハルくんを嫌いっていう人なんていなくて。


ほんとに完璧な人だった……。



「……陽菜……?」


「へっ……!?」



一瞬ハルくんを思い出して、意識が飛んでいた。


真由ちゃんに覗き込まれてハッとする。



「ああっ、ごめんごめん。……えと、そう!じゃあ他の女の子に取られる前に、真由ちゃんの可愛いとこ、いっぱいアピールしてきな」



真由ちゃんの恋は120%応援したいし、久保先輩とうまくいったらいいな。


あたしに恋の予定はないけど、久しぶりに胸が高鳴る。



「うんっ、ありがとうっ!」


「楽しんできてね!」



あたしは笑顔で真由ちゃんを送り出した。

< 56 / 392 >

この作品をシェア

pagetop