それはきっと、君に恋をする奇跡。
優等生だけど、それを鼻に掛けることもなく、誰ひとりハルくんを嫌いっていう人なんていなくて。
ほんとに完璧な人だった……。
「……陽菜……?」
「へっ……!?」
一瞬ハルくんを思い出して、意識が飛んでいた。
真由ちゃんに覗き込まれてハッとする。
「ああっ、ごめんごめん。……えと、そう!じゃあ他の女の子に取られる前に、真由ちゃんの可愛いとこ、いっぱいアピールしてきな」
真由ちゃんの恋は120%応援したいし、久保先輩とうまくいったらいいな。
あたしに恋の予定はないけど、久しぶりに胸が高鳴る。
「うんっ、ありがとうっ!」
「楽しんできてね!」
あたしは笑顔で真由ちゃんを送り出した。