それはきっと、君に恋をする奇跡。
さてと、お昼はどうしようかな。
いつも真由ちゃんとふたりで食べていたから、いざとなるとちょっと困った。
3週間も経てば仲良しグループはほぼ完成している。
机を寄せ合って定位置が完了している女子たちに、入れてという勇気もなく。
お弁当箱を持ってうろうろした結果、屋上へ行くことに決めた。
ーーーギィィィ……
重い扉を押して開けた屋上に、人は誰もいなかった。
もしかしたらカップルがいるのかもと思っていたけど、日よけになる物がないからお昼に来る人なんていないのかも。
この辺には高層マンションもない。
この屋上より高い建物は、少し先に見える大学病院くらいだから見晴らしは抜群。
いい場所みつけちゃった。
真由ちゃんと久保先輩が付き合う様になったら、お昼はひとりになることもあるだろうし。
そうなったらまたここに来よう。
あたしはコンクリートの段差の部分に腰を掛けると、お弁当を食べ始めた。