それはきっと、君に恋をする奇跡。


さてと、お昼はどうしようかな。


いつも真由ちゃんとふたりで食べていたから、いざとなるとちょっと困った。


3週間も経てば仲良しグループはほぼ完成している。


机を寄せ合って定位置が完了している女子たちに、入れてという勇気もなく。


お弁当箱を持ってうろうろした結果、屋上へ行くことに決めた。



ーーーギィィィ……


重い扉を押して開けた屋上に、人は誰もいなかった。


もしかしたらカップルがいるのかもと思っていたけど、日よけになる物がないからお昼に来る人なんていないのかも。


この辺には高層マンションもない。


この屋上より高い建物は、少し先に見える大学病院くらいだから見晴らしは抜群。



いい場所みつけちゃった。


真由ちゃんと久保先輩が付き合う様になったら、お昼はひとりになることもあるだろうし。


そうなったらまたここに来よう。



あたしはコンクリートの段差の部分に腰を掛けると、お弁当を食べ始めた。
< 57 / 392 >

この作品をシェア

pagetop