それはきっと、君に恋をする奇跡。
「ちょっと待って、俺の予定は3ヶ月先まで埋まってんだよねー」
いきなり生徒手帳を取り出して、予定を確認しはじめた。
……。
「……じゃあべつにいいよ」
これでも勇気がいったのに。
だよね。
水瀬くんは人気者だから放課後は約束で埋まってるよね。
デートとかいろいろ。
気があると思われても困る。
恥ずかしいのとちょっと悔しい気持ちを入り交ぜたままスクッと立ち上がると。
「あわわわっ、暇暇、ちょー暇してますっ!」
水瀬くんが慌ててあたしの肩を押し戻した。
……え?
その慌てっぷりに、あたしがきょとんとする。
「で?どこか付き合って欲しとこでも?」