それはきっと、君に恋をする奇跡。
『何キョロキョロしてんの?』
『へっ!?』
『落ち着いて歩けないの?』
背中を何度も振り返っていると、水瀬くんの声が頭上から振って来て。
横に並んでみて改めて、水瀬くんはものすごく背が高いなあって思う。
声が頭上から振ってくる…って比喩がピッタリ当てはまるくらいあたしとの差は……30センチくらいはあるかも。
『いや……だって……』
水瀬くんとのやり取りに、一層女の子たちの顔が色めき立っているように見えて、やっとわかった。
女の子たちが見ているのはあたしじゃなくて……水瀬くんだ。
"俺がプランを立てるから、つべこべ言わずについてくること"
そんな俺様発言をかます水瀬くんに呆れながらも、その方が楽だと思い黙ってついてきた。