それはきっと、君に恋をする奇跡。
「まずはこれ食おうぜ」
「えっ……?」
あたし、実はクレープには目がないんだ。
任せろっていうからどこに連れて行かれるかちょっと不安だったんだけど、クレープ屋さんをチョイスしてくれるなんて、少し心が躍る。
「あ、あたしクレープ好き……」
思わずそう零してから。
「だろ?」
ちょっと得意そうに腕を組んでいる水瀬くんの後方を見れば。
制服姿の女子高生がずらーっと並んでいた。
……なるほどね。
放課後のクレープ屋さんは、女の子の鉄板だよね。
さすが水瀬くん。
デート慣れしてるってことで、彼女持ち説が濃厚になったとき。
「じゃあ陽菜はここで待ってて!」
ちょうど日陰になっているパラソルの下の椅子にあたしを座らせた。