それはきっと、君に恋をする奇跡。


それから。


水瀬くんに誘導されるままに街を歩いていると。



「おっ、ゲーセン発見!プリ撮ろうぜ」


「ええっ!?」



ちょっと待って。


カレカノでもないのにそれはちょっと……。


躊躇うあたしをよそに、水瀬くんはゲームセンターに入るとプリのコーナーに突き進む。


案の定放課後のプリコーナーには女の子が沢山いて、また一斉に視線を浴びた。



……だからイヤなのに。



「へー、すんげーたくさん種類あるんだな」



そんなものは気にせずゆったり歩く水瀬くん。


その隣で……あたしは居心地が悪くて仕方ない。


カップルで来ている女の子まで水瀬くんを振り返ってる。


これだけのイケメンにはそうそう出会わないもんね、当然か。



はあ……。


だからこそ、もうちょっと水瀬くんには自覚してほしいのに。


誘ったのはあたしだから文句もいえないけど。

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