それはきっと、君に恋をする奇跡。
「もういいからっ、ここにしよっ」
これ以上その容姿をさらけ出させないように、あたしは適当にカーテンをめくると水瀬くんの腕を取ってスペースの中に入った。
「わお!積極的~!」
「……っ、」
ツッコミたくてたまらないけど。
あえてなにも言わずにあたしはお財布を取り出す。
「俺が出すよ」
「いいいいっ、ここはあたしが出すよっ。クレープ奢ってもらっちゃったし」
払うよって言ったのに断られたんだ。
軽そうなのに、変なところで頑固みたい。
「……あ」
でも、こんな時に限って100円玉が入ってなくて。
「両替してくるねっ───」
───チャリンチャリン
え。
あたしが言った側から、水瀬くんがポケットから小銭を取り出して投入口に入れていた。
「これどうやるわけ?」
そして、起動した画面を見ながらブツブツ呟く。