【第一章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を
悠久の魔導師、剣士として
「そろそろ儂も部屋に戻るとするか。ふたりとも今日はゆっくり休むんじゃぞ」
「はい。ありがとうございましたガーラント先生」
「じぃさんありがとなっ! すげぇ勉強になったぜ!」
「うむ。それじゃあのぉ」
にこやかに退室したガーラント。それを見送るアレスは丁寧に頭を下げているが、カイはというと両手を頭の後ろで組んで、相変わらず目の上の者に対する礼儀など皆無かのような態度をとっている。
「カイ、君は本当に怖い者なしだね」
「ん? 何がだ?」
まさに自由奔放。この言葉が良く似合う人物だとアレスは心の底から思った。
「雷の国の使者たちを見ただろう? 礼儀正しくて王に忠実な理想の戦士たちだった」
「それは俺も思った! いつかああなりてぇなって。エデン王みたいにデッカイ剣士になりたいってのが本音だけどな!」
「まぁ……言うだけタダだけど。使者はその国の王とイコールで見られるんだよ。エデン王の使者を見たとき、その礼儀や統率力に感心しただろう? それがエデン王の凄さに繋がってる。従者が立派なのはその上の王が素晴らしいからなんだ」
「げっ!! じゃ、じゃあ……俺をみたら……」
「そう。キュリオ様がそう見られるってこと」
アレスは少々大げさにカイを脅す。このくらいでキュリオの偉大さが損なわれるわけはないが、実際カイはエデン王に注意を受けブラストが謝罪する場面があった。
(私もカイのことばかり責めてはいられない……もっと慎重にならなくては)
「俺、頑張るぜアレス! 王様に恥じない剣士になるためにもなっ!!」
「うん。私も頑張るよ。キュリオ様の助けになれる魔導師、剣士を目指そう!」
「おうっ!!」
単純なカイは明確に指摘してやるのが一番いいとアレスは確信した。回りくどい言い方では彼は首を傾げるだけだからである。
立ち去らず扉の外にいたガーラントはその言葉を楽しそうに聞いている。
(アレス、カイ。ふたりとも大きく育つのじゃよ)
「孫が育つような気分じゃなっ!」
愉快気な声を響かせ、<大魔導師>ガーラントは扉の前からそっと立ち去った。
「はい。ありがとうございましたガーラント先生」
「じぃさんありがとなっ! すげぇ勉強になったぜ!」
「うむ。それじゃあのぉ」
にこやかに退室したガーラント。それを見送るアレスは丁寧に頭を下げているが、カイはというと両手を頭の後ろで組んで、相変わらず目の上の者に対する礼儀など皆無かのような態度をとっている。
「カイ、君は本当に怖い者なしだね」
「ん? 何がだ?」
まさに自由奔放。この言葉が良く似合う人物だとアレスは心の底から思った。
「雷の国の使者たちを見ただろう? 礼儀正しくて王に忠実な理想の戦士たちだった」
「それは俺も思った! いつかああなりてぇなって。エデン王みたいにデッカイ剣士になりたいってのが本音だけどな!」
「まぁ……言うだけタダだけど。使者はその国の王とイコールで見られるんだよ。エデン王の使者を見たとき、その礼儀や統率力に感心しただろう? それがエデン王の凄さに繋がってる。従者が立派なのはその上の王が素晴らしいからなんだ」
「げっ!! じゃ、じゃあ……俺をみたら……」
「そう。キュリオ様がそう見られるってこと」
アレスは少々大げさにカイを脅す。このくらいでキュリオの偉大さが損なわれるわけはないが、実際カイはエデン王に注意を受けブラストが謝罪する場面があった。
(私もカイのことばかり責めてはいられない……もっと慎重にならなくては)
「俺、頑張るぜアレス! 王様に恥じない剣士になるためにもなっ!!」
「うん。私も頑張るよ。キュリオ様の助けになれる魔導師、剣士を目指そう!」
「おうっ!!」
単純なカイは明確に指摘してやるのが一番いいとアレスは確信した。回りくどい言い方では彼は首を傾げるだけだからである。
立ち去らず扉の外にいたガーラントはその言葉を楽しそうに聞いている。
(アレス、カイ。ふたりとも大きく育つのじゃよ)
「孫が育つような気分じゃなっ!」
愉快気な声を響かせ、<大魔導師>ガーラントは扉の前からそっと立ち去った。