【第一章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を
「……精霊王のもとへ行く」
はっきり言って彼に会える確率は五分五分だった。
キュリオとて、今まで精霊の国へ足を踏み入れたことはなく彼の居場所もつかめていないのだ。
「キュリオ様の……お心のままに」
王の決断に深く一礼するガーラント。
「ガーラント、そなたは精霊の国の門の前で待て」
その言葉にハッと顔を上げた大魔導師。
「キュリオ様……まさか、おひとりで……」
いくら王同士が仲の良い間柄だとしても、精霊の中には気性の荒い者がいるという話だ。異国の者が立ち入れば、#領域__テリトリー__#を侵したと見なされ攻撃されないとも限らない。
「私の心配などいらぬ」
キュリオは悲しそうに腕の中の幼い少女を見つめると、その背に純白の翼が光を放ってあらわれた。
そして中庭から勢いよく夜空へと舞い上がったキュリオの姿はあっという間に見えなくなり、彼の光だけが残像のように広がっていた――。
はっきり言って彼に会える確率は五分五分だった。
キュリオとて、今まで精霊の国へ足を踏み入れたことはなく彼の居場所もつかめていないのだ。
「キュリオ様の……お心のままに」
王の決断に深く一礼するガーラント。
「ガーラント、そなたは精霊の国の門の前で待て」
その言葉にハッと顔を上げた大魔導師。
「キュリオ様……まさか、おひとりで……」
いくら王同士が仲の良い間柄だとしても、精霊の中には気性の荒い者がいるという話だ。異国の者が立ち入れば、#領域__テリトリー__#を侵したと見なされ攻撃されないとも限らない。
「私の心配などいらぬ」
キュリオは悲しそうに腕の中の幼い少女を見つめると、その背に純白の翼が光を放ってあらわれた。
そして中庭から勢いよく夜空へと舞い上がったキュリオの姿はあっという間に見えなくなり、彼の光だけが残像のように広がっていた――。