【第一章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を
下された制裁
『……奇遇だな? イフリート』
『……っ! も、もしかして王、貴方様も悠久、を……』
慎重に言葉を選びながら、にわかに喜びと安堵の笑みを浮かべたイフリートだが、次の瞬間――
『我も貴様を葬る口実を探していたところだ』
エクシスは表情をひとつ変える事なく、怒りに咆哮する金色(こんじき)の矢を愚かなる上級精霊へと向け、放った――
『……っお、お許しをっっっ!! 精霊王っっぁぁあああっ!!!』
『……ギャァァァアアアアアアッッッ!!! …ッッッ!!!! ……』
イフリートの劫火も千年王の前ではまったく意味を成さない。そして彼の悪行など、すべての精霊を束ねるエクシスが知らないわけがなかった。
『……王』
ほっと息をついた光の精霊が精霊王の元へと近づいた。
『悠久の王が瀕死の赤子を抱え、貴方様を探しておられます。お急ぎを……』
『そのようだな』
視線を下げ、エクシスは門の前に群がる精霊たちを一瞥する。
『……っ!!』
ビリビリと伝わる彼の圧倒的な殺気に精霊たちは竦みあがった。滅多に動かない精霊王が直々に下した制裁によりイフリートの体は消滅し、灰となったそれを目の当たりにした彼らが動けるはずもない。
『我が王の心を理解せよ』
『……ぎょ、御意!!!』
光の精霊がそう告げると炎の精霊たちは悲鳴のような声をあげ四方に散って行った。
『いくぞ』
『御意』
まだ消えぬキュリオの光柱(ひかりばしら)を目指し、ふたりは速度をあげ急接近していく。
『……っ! も、もしかして王、貴方様も悠久、を……』
慎重に言葉を選びながら、にわかに喜びと安堵の笑みを浮かべたイフリートだが、次の瞬間――
『我も貴様を葬る口実を探していたところだ』
エクシスは表情をひとつ変える事なく、怒りに咆哮する金色(こんじき)の矢を愚かなる上級精霊へと向け、放った――
『……っお、お許しをっっっ!! 精霊王っっぁぁあああっ!!!』
『……ギャァァァアアアアアアッッッ!!! …ッッッ!!!! ……』
イフリートの劫火も千年王の前ではまったく意味を成さない。そして彼の悪行など、すべての精霊を束ねるエクシスが知らないわけがなかった。
『……王』
ほっと息をついた光の精霊が精霊王の元へと近づいた。
『悠久の王が瀕死の赤子を抱え、貴方様を探しておられます。お急ぎを……』
『そのようだな』
視線を下げ、エクシスは門の前に群がる精霊たちを一瞥する。
『……っ!!』
ビリビリと伝わる彼の圧倒的な殺気に精霊たちは竦みあがった。滅多に動かない精霊王が直々に下した制裁によりイフリートの体は消滅し、灰となったそれを目の当たりにした彼らが動けるはずもない。
『我が王の心を理解せよ』
『……ぎょ、御意!!!』
光の精霊がそう告げると炎の精霊たちは悲鳴のような声をあげ四方に散って行った。
『いくぞ』
『御意』
まだ消えぬキュリオの光柱(ひかりばしら)を目指し、ふたりは速度をあげ急接近していく。