【第一章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を
柔らかな気配
――徐々に東の空が白みはじめると朝を唄う鳥たちの声が悠久の風に流れ、優しい日の光が大地を照らす――
そしてこの大地でひときわ美しく光輝く、悠久の城の主であるキュリオは日の出とともに目を覚ました。
(……朝か……)
ゆっくり瞼をひらいた先に飛び込んできたのは、いつも見慣れた天蓋のベッドの天井と……こちらを覗き込んでいる小さな人影だった。
「おはよう、もう起きたのかい?」
(逆光でもわかる……この柔らかな気配は……)
キュリオの声を聞いた小さな影は嬉しそうに口角をあげると更に顔を近づけてきた。
「……っンぅー!」
言葉にならない声をあげ、銀髪の王の顔に顔をピタリと寄せてくる。
寝起きのキュリオは幸せな夢の続きを見ているような感覚におそわれながらも、肌に感じる確かなぬくもりにホッと安堵の溜息をついた。
そして、彼女の愛くるしい顔を見ようとその頬へ手を添えると……
(……涙のあと?)
「……泣いていたのかい?」
キュリオは眉間に皺を寄せ、彼女がひとり泣いていたであろう時に気が付いてやれなかったことを心から悔やんだ。
だが、そんな心配をよそに彼女はにこやかな笑顔を向けてくる。
「きゃぁっ」
そしてこの大地でひときわ美しく光輝く、悠久の城の主であるキュリオは日の出とともに目を覚ました。
(……朝か……)
ゆっくり瞼をひらいた先に飛び込んできたのは、いつも見慣れた天蓋のベッドの天井と……こちらを覗き込んでいる小さな人影だった。
「おはよう、もう起きたのかい?」
(逆光でもわかる……この柔らかな気配は……)
キュリオの声を聞いた小さな影は嬉しそうに口角をあげると更に顔を近づけてきた。
「……っンぅー!」
言葉にならない声をあげ、銀髪の王の顔に顔をピタリと寄せてくる。
寝起きのキュリオは幸せな夢の続きを見ているような感覚におそわれながらも、肌に感じる確かなぬくもりにホッと安堵の溜息をついた。
そして、彼女の愛くるしい顔を見ようとその頬へ手を添えると……
(……涙のあと?)
「……泣いていたのかい?」
キュリオは眉間に皺を寄せ、彼女がひとり泣いていたであろう時に気が付いてやれなかったことを心から悔やんだ。
だが、そんな心配をよそに彼女はにこやかな笑顔を向けてくる。
「きゃぁっ」