【第一章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を
待ち受ける苦難
「むぅ……お前がか?」
困惑した様子の<大魔導師>へキュリオは視線を移し提案する。
「使者に年齢は関係ない。この体験が彼を成長させるというのなら私は賛成だ。もちろん一人で行かせるつもりはないから安心してほしい」
穏やかに微笑むキュリオはソファの背へ体を預けると、"あとは君たち次第だ"とばかりに成り行きを見守ろうとしている。
「むぅ……キュリオ様がそう仰るなら……」
心配であまり乗り気ではないらしい彼の重い腰をあげてやろうと銀髪の王はさらに言葉を添える。
「可愛い子には旅をさせろ、とは言ったものだ」
キュリオの有難い後押しに、さらにやる気が出た小さな魔導師は立ち上がり、自らの師へ深く頭をさげる。
「先生っ! お願いします! 行かせてくださいっっ!!」
「まぁ……のぉ……」
やがて根負けしたガーラントは"やれやれ"とため息をついた。
「早すぎる気もするが……いいじゃろ。
剣士と魔導師を二名ずつ連れて行け。アレス、お前は最後尾じゃぞ。わかったな?」
「は、はいっっ! 先生!!」
キュリオの後ろ盾により、アレスが第一関門を突破し喜びの声をあげると――
急に<大魔導師>の顔が険しくなり、長い年月を生きてきたガーラントの手がアレスの肩に乗せられた。
「……よいかアレス。キュリオ様の書簡は各国の門の番人に渡すだけじゃぞ」
「心配は無用だガーラント。使者として経験のある者を同行させよう」
「……? はい……」
キュリオの表情を見る限り危険はなさそうだが、ただならぬガーラントの気配にアレスは息を飲んだ。
「死の国に立ち入ってはならん。<冥王>と顔を合せてはならんぞ」
困惑した様子の<大魔導師>へキュリオは視線を移し提案する。
「使者に年齢は関係ない。この体験が彼を成長させるというのなら私は賛成だ。もちろん一人で行かせるつもりはないから安心してほしい」
穏やかに微笑むキュリオはソファの背へ体を預けると、"あとは君たち次第だ"とばかりに成り行きを見守ろうとしている。
「むぅ……キュリオ様がそう仰るなら……」
心配であまり乗り気ではないらしい彼の重い腰をあげてやろうと銀髪の王はさらに言葉を添える。
「可愛い子には旅をさせろ、とは言ったものだ」
キュリオの有難い後押しに、さらにやる気が出た小さな魔導師は立ち上がり、自らの師へ深く頭をさげる。
「先生っ! お願いします! 行かせてくださいっっ!!」
「まぁ……のぉ……」
やがて根負けしたガーラントは"やれやれ"とため息をついた。
「早すぎる気もするが……いいじゃろ。
剣士と魔導師を二名ずつ連れて行け。アレス、お前は最後尾じゃぞ。わかったな?」
「は、はいっっ! 先生!!」
キュリオの後ろ盾により、アレスが第一関門を突破し喜びの声をあげると――
急に<大魔導師>の顔が険しくなり、長い年月を生きてきたガーラントの手がアレスの肩に乗せられた。
「……よいかアレス。キュリオ様の書簡は各国の門の番人に渡すだけじゃぞ」
「心配は無用だガーラント。使者として経験のある者を同行させよう」
「……? はい……」
キュリオの表情を見る限り危険はなさそうだが、ただならぬガーラントの気配にアレスは息を飲んだ。
「死の国に立ち入ってはならん。<冥王>と顔を合せてはならんぞ」