【第一章】狂気の王と永遠の愛(接吻)を
五大国・最強の王
――王と呼ばれた青年は巨大な樹木へと背を預けながら光の精霊を見つめている。その美しい瞳は翡翠の色を宿していたが、しかし……彼の表情からは何も伝わって来ず、心を読み取ることは出来そうにない。
光の精霊が彼のもとへ移動すると、彼女に包まれた書簡に気づいた精霊王はわずかに眉を動かした。
『……悠久からか……?』
『はい。先ほど<使者>が持って参りました』
『…………』
片膝を折り曲げ、左腕をのせた精霊王。
受け取った書簡の#封蝋__シーリングワックス__#を見ると、紛れもなく悠久の王のものであることが確認できる。そして表には精霊王の彼の名が記されていた。
流れる動作で開封すると、見覚えのあるキュリオの美しい字が連なっている。一通り目を通した精霊王は考える素振りも見せず、やがてそれは懐へ仕舞われてしまった。さらに失せたらしい興味と共に瞼も閉じられていく。
『…………』
"悠久の王からの書簡ならば返事をしないという選択肢はないはず"。そう思った光の精霊は樹木の根元で王の返事を待つ事にした――。
光の精霊が彼のもとへ移動すると、彼女に包まれた書簡に気づいた精霊王はわずかに眉を動かした。
『……悠久からか……?』
『はい。先ほど<使者>が持って参りました』
『…………』
片膝を折り曲げ、左腕をのせた精霊王。
受け取った書簡の#封蝋__シーリングワックス__#を見ると、紛れもなく悠久の王のものであることが確認できる。そして表には精霊王の彼の名が記されていた。
流れる動作で開封すると、見覚えのあるキュリオの美しい字が連なっている。一通り目を通した精霊王は考える素振りも見せず、やがてそれは懐へ仕舞われてしまった。さらに失せたらしい興味と共に瞼も閉じられていく。
『…………』
"悠久の王からの書簡ならば返事をしないという選択肢はないはず"。そう思った光の精霊は樹木の根元で王の返事を待つ事にした――。