GAME
鬼side(愛斗)










澄香が突然死んだ。すごく呆気なかった。呆気無さすぎて正直実感がわかない。突然始まったこのおかしなゲームも全部全部夢なんじゃないかって思った。



”鬼”になり人を殺す。それもクラスメイトを。








俺は訳が分からないまま鬼待合室と呼ばれた教室に入った。


俺を含めて四人が鬼待合室で呆然と立ち尽くす。






「な、なぁ...これって本当にやるのか?」

蓮が言う。





「やだよ...私人を殺すなんて出来ない...!!」

一之瀬が叫び気味に言った。


俺だってそうだ。人殺すなんて出来ない。したくない。


だけど、誰かを殺さなきゃ自分が死ぬ...





俺は自分の命より他人の命を優先させるほど出来た人間じゃない。

なんとしてでもこのイカれたゲームで生き残りたい。





そのためには誰かを殺す。今この状況で殺すのは悪いことじゃない。誰だってそうするだろう。










俺は案外冷静に考えてた。だけどそんな自分が怖いと言う気持ちもあった。


俺は机に置かれた5人分の拳銃と刃物を見て自分の分を手に取った。




「ま、愛斗...お前まさか...」

「あぁ、誰かを殺らなきゃ自分が死ぬんだぞ?」







さて、そろそろ5分経った。

鬼ごっこの始まりだ。






俺は教室を出て特別棟1階を見に行くことにした。
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