会いたい
「そう言えば、昨日のLiveは、どうでしたか?」

楓が昨日のLiveの話を切り出す。

「もう、名古屋の人達はノリがいいから盛り上がりましたよ」

MAKIDAIが嬉しそうに答える。

「そうですか。私、三代目のLiveは行ったことないですけど、MAKIDAIさんが出るならチケット取ればよかったぁ」

「また、追加公演もあるんじゃないかな」

「そうなんですか⁈絶対に行きます」

そんな話から、始まったが楓の緊張もほぐれたところでMAKIDAIの仕事の話から徐々に食生活についての話へと掘り下げていく。

「MAKIDAIさんは、仕事がら地方へ行ったりも多いし、独身ですし外食とか多くないですか?」

楓は手帳を広げながら、話を続ける。

「多いどころか、恥ずかしながら自炊とか全くしないです」

MAKIDAIは、申し訳なさそうにいう。

「うーん、やっぱりそうですね。じゃあ…、これからもその食生活を続けますか?」

楓がそう質問して、MAKIDAIの顔をじっと見る。

「いやぁ、色々心配はあるけど、結婚でもすれば変わってくるんだろうけど、中々ねぇ」

顎に拳を当てながら、頭をかしげるMAKIDAI。

楓は、うんうんとうなづき、

「ファンとしては、MAKIDAIさんが独身なのは魅力的ですけど、でも食事のこととか将来のことは心配です」


マネージャーの工藤もうなづきながら、

「そうだよねぇ、MAKIDAIが結婚したら俺の仕事も少しは減りそうだし、俺も結婚して欲しいと思ってますよ」

と横やりを入れる。

「こらこら、工藤ちゃんを楽させるために俺が結婚するの?っていうか、本題はそこじゃないから」

それに対してMAKIDAIは突っ込みを入れる。

「うーん、でも健康管理もマネージャーさんの仕事の一つですから、心配しないわけにいかないですよね」

楓の切り返しにMAKIDAIはやられた、という表情だ。

「本来ならそうですけど、まぁ飲み出したら止まらないし、食事も偏ってますからねぇ。今は、鍛えてたりしてるからそこまで神経使ってないけどね、40歳過ぎたらやっぱり色々あるしね」

工藤もMAKIDAIの身体の事は、常に心配している。

「まぁ、工藤ちゃんにもファンの皆んなにも心配かけっぱなしなわけに行かないからさぁ、る楓さんに出会ったのも、縁だし、この機会にそろそろ心を入れ替えようかなと思ってます」

MAKIDAIは工藤に心配かけるだけでなく身体が資本の職業だからこそいい機会だと思っていたようだ。
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