会いたい
MAKIDAIが腕時計を見た。

「楓さん、時間何時まで大丈夫?俺たち、昼過ぎの新幹線で帰る予定だから、ちょっと早いけどよかったら、ランチしながら話の続き、どうかな?」

「時間、全然大丈夫なので、是非ご一緒したいです」

即答だが、他の予定があったとしても、断っただろう。

「じゃあ、地元の人のオススメランチといきましょうか?」

「お、いいね」

「え、オススメですか?どこがいいかな。名古屋メシとか?」

MAKIDAIにオススメと言われ、焦る楓。

「うーん、あ、そうだ、MAKIDAIさん、親子丼お好きですよね?」

「さすがだね。そこまで知ってるとは」

「あ、モバイルとかでお蕎麦と親子丼食べてるとこ載ってたような気がして」

工藤のツッコミに照れる楓。

3人は、駅の地下にある店へと向かった。

「楓さん、先に謝っとくね。俺、マスクしてたらほとんど気付かれないと思うけど、迷惑かけたらごめんね」

「いいえ、気になさらず。私もきづいちゃった一人ですから」

一ファンとして、想像していたイメージより更に優しいMAKIDAIに一段とときめく楓だった。

「楓さんはMAKIDAIのファン歴長いんですか?」

工藤がたずねる。

「えっと、3章の頃からです」

「へぇ、3章からなのにSecondのメンバーではなく、MAKIDAIなんだぁ」

「はい。Secondとか全然知らなくて、3章になってすぐの紅白見てる時に、えっ、この人かっこいい⁈ってなって、急にスイッチ入っちゃって」

「え、それまで全然だったの?」

「はい、ドラマとかCMとか見たりしてたと思うんですけどね」

「へぇ、でもまあある意味一目惚れみたいな感じ?」

「そうなんですっ!…って本人の前でいうのは、なんか恥ずかしいですね」

と言って、肩をすくめる楓。

「いやあ、なんかそう言われると嬉しいけど、直接聞くのは照れ臭いかな」

そう言いながら、頭をかきながら照れ笑いのMAKIDAI。

「ちょっとぉ、二人とも十代みたいなリアクションじゃん」

工藤のツッコミまれ、二人は顔を見合わせ笑った。
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