会いたい
今日は、楓が東京に来る日だ。

「今日は、こんな感じでどう?」

「いいね〜、サンキュー」

ヘアメイクが終わったMAKIDAIは、BGMの曲を口ずさみ軽く踊りながら鏡を覗き込む。

「MAKIさん、今日はご機嫌だね〜」

「え、そう?いつもと同じだって」

メイクさんにそういわれるまでもなく、明らかにテンション高めなMAKIDAIだった。

「じゃ、撮影と行きますか」

撮影、インタビューが終わり、続いてテレビ局に移動し打合せ。

一方、楓は、朝早い新幹線で東京に着き、昼間は打合せ、夕方からセミナーの講師と一日中忙しかったが、早くMAKIDAIに会いたい気持ちでいつになくそわそわしていた。

「楓さん、お疲れ様でした。この後、いつものお店行きますよね?」

月に一回の定期のセミナーではいつもセミナー後に仲間と食事兼打合せがあるが、

「ゴメン、今日はまだ他の打合せがあって」

楓は申し訳なさそうに断る。

「えーっ、そうなんですか?もっと、色々聞きたいことあったのに〜、残念です」

「今日は、大事な打合せなんです。ゴメンね。来月は必ず参加します」

楓は、そう言うと足早に会場を後にする。
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