会いたい
「あ、そうだ、そういえばこの前三代目のLive見たいって言ってたよね。」

「あ、はい。早速、追加公演のエントリーしました」

「え、そうなの。よかったら、席取るよ」

「え、でも…そんなこと…」

「12月だと、東京と北海道の公演があるけど、北海道はちょっと遠いかぁ。東京は、再来週だけど予定どう?」

「うーん、再来週は…、無理ですね」

調整するにも苦しいほど、予定が詰まっていた。

「そっか、んー、じゃあ、もしだけど、行けるなら、北海道一緒に行きますか?同行で食事指導して貰えたら一石二鳥だし」

MAKIDAIも思いつきだが言ってみた。

「え、そんなことさせて貰っていいんですか?」

楓は、思ってもみない提案に驚く。

「大丈夫なら、是非一緒に。工藤ちゃんに色々手配して貰うから、予定空けといて下さい」

「すごいっ、なんか嘘みたい。わぁ、嬉し過ぎて、どうしよう」

MAKIDAIの思いつきで出た話だが、楓にはこれまた夢のような話である。

「丁度クリスマスも近いし、僕からのクリスマスプレゼントです」

「本当にいいんですか?嬉しいです。ありがとうございます」

楓は満面の笑みでお礼を言った。

もともと、人を喜ばせることが大好きなMAKIDAIだが楓が喜ぶのを見てご満悦である。

「MAKIDAIさんって、テレビで見てたより、もっともっと優しくて本当に素敵ですね」

ゴマをするわけではないが、この3週間のやり取りや今日の立ち振る舞いなどを見ても、楓が今まで出会って来た男性の中でMAKIDAIが一番の紳士だと、思った。

「いや、シラフで聞くのは、照れますね。あの、一杯だけ飲んでもいいですか?」

MAKIDAIは、とても気分がいいようだ。

「じゃあ、私も一杯だけ」

「あ、楓さん、飲める人?」

「少しだけ」

楓もMAKIDAIにつられて飲みたい気分になった。

生ビールで乾杯する。

「あ〜、美味い」

MAKIDAIの顔を見ると、本当に美味しいそうなのが伝わってくる。

「楓さんは、家でも飲む?」

「家では、飲まないです。誰かと一緒なら美味しいですけど、一人では…」

「あ、楓さんも一人暮らし?」

「いえ、一人暮らしではないですけど、家族で飲む人がいないから」

「あ、そうか、家族のこととか聞いてもいいのかな?」

MAKIDAIは、なんとなく気になっていたがプライベートな話なので遠慮気味に聞いてみた。
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