会いたい

MAKIDAIは、少し考えて、

「あの俺、楓さんのこと、ファンの一人とかじゃなくて、んーっ、ちゃんと一人の女性として見てるつもりだから、楓さんも遠慮せず接して欲しいと思ってる」

そういった。

楓は、キョトンとしてまたMAKIDAIを見つめる。

「あ、ゴメン、俺また変なこと言ったかな？」

心配そうなMAKIDAI。

「あ、いえっ。あの、私、メールしたり、こうやって会ったりしてても、いつも夢の中にいるみたいな気持ちでいたし、でも…本当に毎日が楽しくて、MAKIDAIさんに会う日が待ち遠しくて。だけど、ファンってずっと片思いみたいなものだし、えっと…」

楓は、考えながら一生懸命話す。

MAKIDAIは、落ち着いた声で、

「俺のこと、もっと身近に感じて貰えたら嬉しいな」

そう言った。

楓はなんだか、心がほんわかした。

「そうですね。ちゃんと私の目の前にMAKIDAIさんがいるんですよね」

仕事でもあるし、ファンの一人としてわきまえなければいけないとも思っていた部分もあった。

「なんか、改めて、よろしくお願いしますって気持ちです」

楓は、立ち上がり頭を下げる。

「じゃあ、俺もよろしくお願いします、かな？」

MAKIDAIも楓につられて立ち上がり頭を下げた。

そして、二人で顔を見合わせ笑った。