会いたい
その日の夜、工藤から連絡があり翌日の午後、楓は一旦東京で合流することになった。

半日予定が繰り上がったが、子供達にはいつもの出張としか伝えていなかった。

Xmasには、帰る予定だが色々と準備がある。

プレゼントの準備は、バッチリで25日の朝には、枕元に届くよう手配済み。

MAKIDAIから貰った、サインやTシャツもこのチャンスに一緒にしのばせる。

「今回は、子供達にはこんなすごいプレゼントもあるし、私も少しは楽しませてね」

楓は、スーツケースの蓋を閉じながら呟いた。

1日だけでもMAKIDAIと一緒にツアーに参加出来る。

…俺、楓さんのこと、ファンの一人とかじゃなくて、んーっ、ちゃんと一人の女性として見てるつもりだから、楓さんも遠慮せず接して欲しいと思って…

ふと、先日のMAKIDAIの言葉を思い出す。

(一人の女性…って、ファンとしてじゃなく仕事の仲間としてってことだよね。うん、そうそう、そうに決まってる。それ以上なんてあるわけない。こんなシングルマザーじゃあね。)

楓は、淡い期待を捨て仕事モードにスイッチを切り替える。
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