会いたい
東京は、どんより曇り空で今にも雪が降り出しそうな気配だった。

「寒〜いっ」

スーツケースを片手に、駅の外で待つ楓。

楓の前にワンボックスカーが止まり、ドアが開く。

「楓さん、お疲れ!早く乗って」

駅まで迎えに来てくれた工藤の車に乗り込む。

「寒いのに待たせて、ごめん」

「大丈夫ですよ」

「嫌な天気になっちゃったね。飛行機、ダメだったら新幹線で青森まで行って、そこから車で移動だから」

「本当ですね。車の移動もきっと大変ですよね」

「まぁ、新幹線は最悪のパターンだけどね。飛行機飛ぶといいんだけどな。こっちは、今のところこんな感じだけどね〜、北海道が雪すごいみたいだからさ」

「そうみたいですね」

「ホワイトXmasもいいけど、ほどほどじゃないとなぁ」

工藤はハンドルを切りながら、そう呟いた。
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