会いたい
深夜、その雪の北海道で楓は、病院にいた。

不安は的中した。

楓は、目を真っ赤にして泣き腫らしている。

数時間前の恐ろしい出来事を思い出すと震えが止まらない。

新幹線に乗ったMAKIDAI達は、なんとか函館までたどり着き、車に乗り換える。

「すごい雪だね」

「はい。こんなに前が見えないほどの雪は初めてです」

「楓さん、寒くない?大丈夫?」

「大丈夫ですよ。カイロいっぱい貼ってきましたから。MAKIDAIさん、雪が…」

楓がMAKIDAIの帽子の雪を払う。

「ありがとう」

雪の状態を心配しつつ、ワゴンは札幌へと向かう。

だが、途中、コンビニに寄ったMAKIDAI達の車が駐車場から道路に出ようとした時、大雪の影響でホワイトアウトした道でトラックに追突されたのだ。

MAKIDAIも楓も何が起きたのか、全く分からなかった。

「んっ…痛い」

楓は、追突された時、ガラスに頭を打ち付けた。

額から生温かい血が…。

そして隣のシートでは、MAKIDAIが倒れている。

「皆、大丈夫かっ?」

助手席に乗っていた工藤が後ろを振り返るが返事はなく、うめき声が聞こえるだけだった。

「楓さんっ、MAKIDAIは?」

楓の姿を確認した工藤が叫ぶ。

楓は、痛みを堪えながら必死にMAKIDAIに声を掛ける。

「マキさん…、マキさん、大丈夫ですか…」

MAKIDAIの返事がない。

工藤は後部座席に移動し、メンバーに声を掛ける。

他のスタッフ達も自らも怪我しながら、メンバーを気遣う。

MAKIDAIは、少しの間気を失っていたようだが楓や工藤の声で気がついた。
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