会いたい
「ねぇ、お昼ご飯買って来たんだけど、MAKIDAIさんも食べる?」

丁度、昼時だった。

工藤も戻り、三人で昼食となった。

「うぉ、ひつまぶし〜。これうまいよね〜。昔、ライブ前に食べ過ぎちゃって本番でヤバかったことあるやつ」

「本当?そんなに好きなら、買って来てよかった。でも、MAKIDAIさん達、ライブで行った先の名物が食べられるから羨ましい」

「そうだね、ご当地ラーメンとかも夜中に食べに行ったりしたよね、工藤ちゃん」

「そうそう、オリメンだけの時は、結構色々行ったよなぁ」

「最近も若いメンバーは、行ってるみたいだけどね」

「ライブでカロリー消費してるから、夜も食べれちゃいそうですね。でも、夜は代謝の時間だから、変な時間に食べ過ぎると代謝酵素が消化酵素に回って、身体のメンテナンスが後回しになっちゃうから、気を付けた方がいいですよ」

「へぇ、そうなんだ」

身体が資本のMAKIDAI達も昔は若さに任せて気ままな食生活だったが、今は体調管理や体型維持に余念がない。

「私も、食べることが大好きだから、苦労してます」

「苦労って、その体型で?」

背は、そんなに高くないが細っそりしている楓。

「私も昔は、若さに任せて食べ放題だったから」

「食べ放題でその体型?」

「まさか」

楓はニコニコしながら、携帯の画面を操作して、二人に見せた。

「これ、10年前の私です」

「え、嘘⁈」

二人は目を丸くして、写真と楓を交互に見た。

「実は、体調壊して、20㎏ダイエットしたんですよ」

「えっ、20㎏?」

「すご⁈」

MAKIDAIも工藤も苦労しているという言葉の意味がすぐに理解出来た。

「じゃあ、今も食事制限とかしてるってこと?」

「ううん、今は食改善です。食べ方や食べる物を変えてます。だけど、時々、がっつり食べたくなったり、甘い物の誘惑に負けそうになるんです」
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