会いたい
「本当、びっくりしたなぁ」

工藤は、コーヒーを飲みながら、また楓の太っていた時の写真を見ていた。

「食生活だけじゃなく、日常生活の乱れもあったから、生活を正すのも大変だったし、体重落とすのも中々壁が乗り越えられなくて」

「え、最初何㎏だったの?」

「えっと、最初の体重は公表してません…、恥ずかしいから」

工藤の質問に肩をすくめる楓。

「標準体重まではなんとか食事だけで落とせたんですけど、モデル体型までいこうと思うとそこからまた5㎏落とさなきゃいけないんです」

「へぇ、それは大変だわ。で、自分の経験を仕事に活かしてるわけね」

工藤が関心する。

「ダイエットって無理してるとか、体に悪いみたいなイメージもあるけど、太り過ぎの方が体に悪いことばかりですからね。痩せるっていうより、元の体型に戻るって考えた方がいいんですよ」

「正論だわ」

工藤は、一段と関心する。

「楓さんて、見た目だけじゃなくて、努力家だし知識も豊富だし、本当引き込まれる感がすごいね。MAKIDAIが惚れるのが分かるわ」

「なんだよ、急に」

二人の会話を楽しそうに聞いていた、MAKIDAIに話が振られた。

そうはいいながら、MAKIDAIと楓は顔を見合わせニヤける。

「二人とも否定しないって、相思相愛なわけね」

「そうだよ」

MAKIDAIが自慢気に言う。

「はいはい、御馳走さま」

どうやら、工藤には詳しい話をしなくても二人の関係はお見通しらしい。

「そういう工藤ちゃんの奥さんも美人でさ、可愛い息子がいるんだよ」

「え、そうなんですか。あっ、そうだ、今年の秋、楽しみにしてて下さい」

「秋?」

「はい、うちの畑でおいしいサツマイモがたくさん収穫できたら、工藤さんにもとどけますよ」

「え?畑?」

「そうなんです。畑を借りれることになったんです」

「楓さんって、何者?」

工藤の不思議そうな顔を見ながら、MAKIDAIが、

「じゃあ、俺は収穫を手伝いに行こうかな」

「えー、MAKIDAIさんが?想像出来ないですけど、手伝って貰えたら嬉しいです」

そんな話で盛り上がっていると、工藤は、

「じゃあ、そろそろ、俺、仕事に戻るわ」

荷物を持ち、飲みかけのコーヒーを持ち立ち上がった。

「工藤さん、色々ありがとうございました」

「うん、またね、楓さん。じゃ、MAKIDAI明日な」

「あぁ、よろしく」

と、工藤は仕事に戻って行った。
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