会いたい
「そうだ」

楓が思い出したかのようにそう言って、MAKIDAIの顔を見た。

「何?」

「ねぇ、お仕事復帰したら、お祝いしよう」

「お祝い?」

「そう。退院祝いとも思ったけど、まだ自宅療養中だし、お酒も飲めないでしょ」

「うん、ありがとう。俺は楓さんにお礼をしたいな」

「え、お礼?」

MAKIDAIの言葉に首を傾げる楓。

「事故の時も入院中も楓さんの声に励まされたし、会いに来てくれて顔を見れば元気もらえたし、離れててもいつも心の中に楓さんがいて癒してくれてたよ」

楓がいつもMAKIDAIを思っていた様に、MAKIDAIも楓の事を思い続けてくれていた。

楓は、MAKIDAIの言葉が嬉しくて満面の笑みがこぼれる。

その笑顔を見て、MAKIDAIも笑顔になる。

「このエクボが好きなんだな」

MAKIDAIが、楓の頬を指で触れる。

楓は、肩をすくめる。

「最初に会った時、エクボが可愛いなぁって」

「え、そうだったの?」

「うん」

「んー、これって笑った時しか見えないから、いつも笑ってないと」

「そうそう」

そう言いながら、また笑顔になる。
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