会いたい
「そうだ、せっかく名古屋にいるなら、こっちで会えればいいなぁ。んー、俺の予定は、明日明後日がLiveがあってその次の日の昼間に帰るから、午前中なら少し時間取れるかも」

楓は慌ててスケジュール帳を確認する。

「よかったぁ、丁度、私もその時間空いてます。また、MAKIDAIさんにあえるんですよね。夢じゃないですよね?」

「はい、夢じゃないです」

MAKIDAIが笑う。

その笑顔にまたキュンとしてしまう楓だった。

「あ、名古屋でLiveなんですね」

「そうそう、三代目のLiveだけどね」

「そうなんですか?」

「三代目のファン?」

「え、違いますけど、MAKIDAIさんが出るなら、行きたかったなって」

「あ、そうか、俺のファンだったよね…」

「ふふっ、MAKIDAIさんって、面白いですね」

楓が笑うと、MAKIDAIは慌てて謝る。

「ごめん、ごめん。本当、俺ってボケてるよね」

「いえ、そんなとこも好きです」

楓は、ハニカミながら言う。

「え、なんか、面と向かって言われると恥ずかしい」

MAKIDAIは額をかきながら照れる。

車内の電光掲示板が間も無く名古屋に到着の案内がながれた。

「あ、もう、名古屋ですね」

楓は、名残惜しそうに言う。

「なんか、あっという間だったなぁ。楓さんとの話が楽しかったからね。じゃあ、また時間と場所を連絡します」

MAKIDAIの言葉が嬉しい。

二人は、改札まで一緒に出た。

「じゃあ、私はこっちなんで」

楓は在来線のホームへ、MAKIDAIは駅のホテルへ。

「それじゃあ、また」

「はいっ」

二人は、手を振り別れた。
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