会いたい
川沿いにあるカフェで軽くモーニングを済ませ、街を散策する。

「目黒川の桜って、有名なんでしょ」

「そうそう、事務所から近いし、毎年見にくるね。あ、今年は、楓さん、一緒に来よーよ」

「うん」

古着屋やおしゃれな店が立ち並ぶ川沿いの道を三人は楽しそうに歩く三人。

「ね、疲れてない?」

「うん、大丈夫だよ」

「寒くない?」

「うん」

「楓さん、お母さんみたいになってるよ」

楓がMAKIDAIを心配する姿を見て工藤が笑う。

「まぁ、家に帰れば、それが本業ですからね」

楓がドヤ顔で、そう言う。

「そうか、本業はお母さんだね。本業してる姿、見た事ないからなぁ」

工藤が納得していると、

「そうだね。話は時々聞くけど、まだ楓さんの家族に会ったことないからなぁ」

MAKIDAIの両親には、正式ではないが一度対面していたが楓の家族には会っていないどころか、楓自身がMAKIDAIの話すらしていない。

色々と壁がある故に仕方のないことではある。
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