会いたい

楓は、少し考えていたが思い切って、

「写真、見ます？子供達、あんまり写真撮らせてくれないから、少ししかないんですけどね」

とポケットから携帯を出し、2人に写真を見せた。

「これは、去年TDRに行った時ので…、これは、その前の年のかな？」

楓は、MAKIDAIに押し付けになる気がして家族の写真を見せていなかった。

「二人とも楓さんに似てるね」

MAKIDAIは、嬉しそうに画面に見入る。

「本当？前は、全然似てないって言われてたんだけど、最近は似てるってよく言われるようになったの」

「そうなんだ。ATSUSHIのことが好きなのが下の子で、お姉ちゃんがTAKAHIROだったよね」

以前、Tシャツをプレゼントした時に教えてもらった。

「下の子は、2才の時からファンだったから、私より筋金入りよ。ダンスに関しては、HIROさんがいいみたい」

「HIROさんも好きなんだ。本物だね」

工藤が関心する。

MAKIDAIは、写真を見つめながら、

「俺、気に入って貰えるかな？」

と、少し不安そうな表情。

「んー、大丈夫だと思うけど…」

「けど？」

楓の微妙な答えにMAKIDAIは、もっと不安な気持ちになる。

「思春期だしね〜、多感な時期でしょ。どんな反応するのかなぁ」

「そうなんだ」

そう言われて益々不安になるMAKIDAI。

MAKIDAIの表情を見て、楓は焦った。

「あ、ゴメンっ、写真見せない方がよかった？…今は、MAKIDAIさんの復帰が最優先だし、私的には子供達の事は、まだ先だと思ってたから」

MAKIDAIは、楓を安心させるかのようににこっと笑った。

「うん、急いでるわけじゃないし、落ち着いたら、またゆっくり考えよう」

「ゴメンね。心配させて」

「いや、心配っていうより、早く仲良くなりたいなって、まぁ、どっちかというと楽しみにしてる方かな」

「そうなの？」

MAKIDAIは、楓の負担にならないように色んな問題について楓が自分から打ち明けてくれるのを待ってくれているようだ。

「MAKIDAIは、子供大好きだからなぁ」

「一緒にやりたいこととか、色々頭の中で計画はあるんだけどね」

押し付けどころか、MAKIDAIの方から子供達のことを気にしてくれていると分かり、楓は嬉しかった。

「ありがとう…」