神様修行はじめます! 其の五
あたしは急いで駆け寄って、クレーターさんを落ち着かせようと声をかけた。
「クレーターさん、大丈夫?」
でもクレーターさんは、どう見ても大丈夫じゃなさそう。
すんごい形相で、まるでしがみ付くみたいな勢いであたしの両肩を掴んで、ガクガク揺さぶってきた。
「な、なんだ!? あれはなんなのだ!? あんな、あ、あんな姿……!?」
「ちょっと、痛いよクレーターさん。怖がらなくて大丈夫だよ、あれ絹糸だから」
「あれが絹糸だから、驚いているのだ!」
「うんうん、そうだよね。さ、早くあれの背中に乗ってね」
「乗る!? あれに乗る!? お前、自分がなにを言っているのか、わかっているのか!?」
「だから、そんなビビんなくて大丈夫だってば。あれ噛まないから。たまに吠えるけど。しょっちゅう雷撃落とすけど」
「な、なぜお前はそんなに平然としていられるのだ!?」
「なんでって、だって何度も絹糸に乗って空飛んだもん。あたし」
「空を……飛……」
「空なら何度も飛んだよ? 何度も落っこちたし。それに伝書亀にも乗って飛行したし、わりと経験豊富なの」
「…………」
信じられない物体を発見したような、クレーターさんの強烈な視線が痛い。
なんか、こっちの世界の人にあたしの体験談をここまでビビられるのって、逆に新鮮。
本っ当にこの人って、戦闘経験ないんだ。一般の小浮気の人なら、まだこれよりは経験があるのかもしれないけど。
一族の長だもんなぁ。屋敷の奥に引っ込んで、ふんぞり返ってるタイプの長だったんだろう。
さっき付き人さんが、あれだけ必死こいて思いとどまらせようとしたの、分かる気がする。
うあー、こりゃーめんどくさいお荷物抱えちゃった予感がするー……。
「クレーターさん、大丈夫?」
でもクレーターさんは、どう見ても大丈夫じゃなさそう。
すんごい形相で、まるでしがみ付くみたいな勢いであたしの両肩を掴んで、ガクガク揺さぶってきた。
「な、なんだ!? あれはなんなのだ!? あんな、あ、あんな姿……!?」
「ちょっと、痛いよクレーターさん。怖がらなくて大丈夫だよ、あれ絹糸だから」
「あれが絹糸だから、驚いているのだ!」
「うんうん、そうだよね。さ、早くあれの背中に乗ってね」
「乗る!? あれに乗る!? お前、自分がなにを言っているのか、わかっているのか!?」
「だから、そんなビビんなくて大丈夫だってば。あれ噛まないから。たまに吠えるけど。しょっちゅう雷撃落とすけど」
「な、なぜお前はそんなに平然としていられるのだ!?」
「なんでって、だって何度も絹糸に乗って空飛んだもん。あたし」
「空を……飛……」
「空なら何度も飛んだよ? 何度も落っこちたし。それに伝書亀にも乗って飛行したし、わりと経験豊富なの」
「…………」
信じられない物体を発見したような、クレーターさんの強烈な視線が痛い。
なんか、こっちの世界の人にあたしの体験談をここまでビビられるのって、逆に新鮮。
本っ当にこの人って、戦闘経験ないんだ。一般の小浮気の人なら、まだこれよりは経験があるのかもしれないけど。
一族の長だもんなぁ。屋敷の奥に引っ込んで、ふんぞり返ってるタイプの長だったんだろう。
さっき付き人さんが、あれだけ必死こいて思いとどまらせようとしたの、分かる気がする。
うあー、こりゃーめんどくさいお荷物抱えちゃった予感がするー……。