神様修行はじめます! 其の五
―― 生み出さねばならぬ。息継ぐ間もなく、生み出し続けねばならぬ……。


―― ほんのわずかでも、生み出す手を休めようものなら……。


―― 我らは、価値なき者として葬られてしまう……。


 青黒く鈍い光に浮かび上がる、白い人々の幻影が、いつの間にか印を組んで術を発動している。


 男も、女も、若者も、年寄りも、子どもも、一人残らず。


 これはきっと、その昔に小浮気一族が、ここで宝物を創り出していた頃の記憶なんだ。


「本当に一族総出で、全員一致協力して創り出していたんだねぇ」


「それにしても、なんだかさっきから聞いてると、皆さんの掛け声って呪詛じみてないですか?」


 怪訝そうな凍雨くんに、あたしも同意した。


 うん、暗いよね? めっさ暗いよね? 明確に暗いよね?


「普通こういう作業の応援歌みたいなのって、めっぽう明るいモンじゃん? ほら、白雪姫と七人の小人の、『ハイホ~♪』みたいな、あのノリ」


「ですよね。でもどう見ても嫌々やってるようにしか見えないんですけど……」


「当然だ。嫌々やっていたのだからな」


「へ?」


 苦い物を噛みしめるようなクレーターさんの声に、あたしはキョトンとしてしまった。
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