神様修行はじめます! 其の五
もちろんそれは、門川君がやらかした失踪事件に、めちゃくちゃ腹を立ててるせいもあるんだけど……
これからどうしても直面しなきゃならないことに対する不安と願望が、心の片隅で小さく渦巻いているからだ。
彼がこれまで通り、あたしのピンチに駆けつけて助けてくれたことに、あたしはホッとしている。
やっぱりあたしたちの関係は、これまで通り変わらないんだよね?って。
あなたのあたしへの気持ちは、なにも変わってないんだよね?って。
だからあたしもこれまで通り、こうしてケンカ腰でいいんだよね?って。
『あたりまえだろう、天内君。君がいれば僕は無敵だ』
いつも通りの門川君の反応が欲しい。
こんな不安に陥っているあたしを、呆れた顔でバカにして欲しい。
だからお願い。この両目が開いたら、真っ先にあなたの顔を見せて。
そしたらあたし、いつも通りにあなたに向かってギャンギャン騒ぐから。
そしたらあなたも、いつも通りに曇りのない綺麗な瞳で、まっすぐあたしを見つめて笑って……。
―― カアァァァ……
いったん収まりかけていた術光が、再び勢いを盛り返した。
ビクッと目を閉じて身構えたけど、今度の白い光は、彼の指先のように優しく目蓋を撫でてくれる。
眼球全体に感じていた苦痛が一瞬で消え去って、同時にお腹の中がポワッと温かくなった。
これはおなじみの感覚。門川君が放つ、高位の治癒術だ。
春先の陽射しのような温もりと、涼しく清々しい風が、お腹を中心にして全身を駆け抜ける。
その風はまるで駆逐艦みたいに、あたしの全身を侵す黒い水の作用を、瞬く間に完全回復してくれた。
体が楽になってホッとするのと同時に、なによりも彼に助けてもらったという事実に、安心しているあたしがいる。
ほら、やっぱりいつも通り。あたしたちは変わらないんだよ……。
これからどうしても直面しなきゃならないことに対する不安と願望が、心の片隅で小さく渦巻いているからだ。
彼がこれまで通り、あたしのピンチに駆けつけて助けてくれたことに、あたしはホッとしている。
やっぱりあたしたちの関係は、これまで通り変わらないんだよね?って。
あなたのあたしへの気持ちは、なにも変わってないんだよね?って。
だからあたしもこれまで通り、こうしてケンカ腰でいいんだよね?って。
『あたりまえだろう、天内君。君がいれば僕は無敵だ』
いつも通りの門川君の反応が欲しい。
こんな不安に陥っているあたしを、呆れた顔でバカにして欲しい。
だからお願い。この両目が開いたら、真っ先にあなたの顔を見せて。
そしたらあたし、いつも通りにあなたに向かってギャンギャン騒ぐから。
そしたらあなたも、いつも通りに曇りのない綺麗な瞳で、まっすぐあたしを見つめて笑って……。
―― カアァァァ……
いったん収まりかけていた術光が、再び勢いを盛り返した。
ビクッと目を閉じて身構えたけど、今度の白い光は、彼の指先のように優しく目蓋を撫でてくれる。
眼球全体に感じていた苦痛が一瞬で消え去って、同時にお腹の中がポワッと温かくなった。
これはおなじみの感覚。門川君が放つ、高位の治癒術だ。
春先の陽射しのような温もりと、涼しく清々しい風が、お腹を中心にして全身を駆け抜ける。
その風はまるで駆逐艦みたいに、あたしの全身を侵す黒い水の作用を、瞬く間に完全回復してくれた。
体が楽になってホッとするのと同時に、なによりも彼に助けてもらったという事実に、安心しているあたしがいる。
ほら、やっぱりいつも通り。あたしたちは変わらないんだよ……。