神様修行はじめます! 其の五
「だって、デカいのはこっちに来られないようになってるんじゃなかったの!?」
「だから我も驚いておるのじゃ! しかも、この気配は……」
「気配はなに!? ハッキリ言ってよ!」
「やかましい! これ以上我にしゃべらせるでない! 猫が大声で怒鳴り散らしながら道を走るわけにはいかぬわ! 黙って走れ!」
そ、その通り。
口を噤んだあたしは、不安を抱えながらひたすら絹糸の後を追いかけるしかなかった。
でも走り続けているうちに、周りの様子が馴染みのある風景に変わっていって、あたしの不安は嫌でも増していく。
ねぇ、この方向って……あたしの学校がある方向なんですけど……。
どんどん速まる動悸と、大きくなるばかりの焦りを抱えて走り続けるあたしの目に、ついに校舎が見えてきた。
頼むから違ってくれと願う思いも空しく、絹糸は校門を抜けて学校の敷地内に飛び込んでいく。
ああ、やっぱり!
「異形の気配はここじゃ! ここはお前の学問所ではないか!」
校門を入った所でようやく立ち止まった絹糸が、後ろを振り向きながら叫んだ。
「そうだよ! なんでよりによってあたしの学校に異形が現れるの!?」
「人の数が多い場所ほど異形も現れる! エサの量が多い狩場が、捕食者に好まれる理屈と同じじゃ!」
「そんな!? エサってなによ!」
悲鳴をあげながら、あたしは校舎を見上げた。
もう授業が始まっている校舎の生徒玄関付近には、人影は見えない。
けれど、この中には数百人という生徒がいるんだ! その全員の命が異形に狙われているの!?
一刻も早く異形を倒さないと、どれだけ死人が出るか分からない!
「だから我も驚いておるのじゃ! しかも、この気配は……」
「気配はなに!? ハッキリ言ってよ!」
「やかましい! これ以上我にしゃべらせるでない! 猫が大声で怒鳴り散らしながら道を走るわけにはいかぬわ! 黙って走れ!」
そ、その通り。
口を噤んだあたしは、不安を抱えながらひたすら絹糸の後を追いかけるしかなかった。
でも走り続けているうちに、周りの様子が馴染みのある風景に変わっていって、あたしの不安は嫌でも増していく。
ねぇ、この方向って……あたしの学校がある方向なんですけど……。
どんどん速まる動悸と、大きくなるばかりの焦りを抱えて走り続けるあたしの目に、ついに校舎が見えてきた。
頼むから違ってくれと願う思いも空しく、絹糸は校門を抜けて学校の敷地内に飛び込んでいく。
ああ、やっぱり!
「異形の気配はここじゃ! ここはお前の学問所ではないか!」
校門を入った所でようやく立ち止まった絹糸が、後ろを振り向きながら叫んだ。
「そうだよ! なんでよりによってあたしの学校に異形が現れるの!?」
「人の数が多い場所ほど異形も現れる! エサの量が多い狩場が、捕食者に好まれる理屈と同じじゃ!」
「そんな!? エサってなによ!」
悲鳴をあげながら、あたしは校舎を見上げた。
もう授業が始まっている校舎の生徒玄関付近には、人影は見えない。
けれど、この中には数百人という生徒がいるんだ! その全員の命が異形に狙われているの!?
一刻も早く異形を倒さないと、どれだけ死人が出るか分からない!