神様修行はじめます! 其の五
背中に回した手をシッ、シッって振って、必死に『こっち来んな』アピールしたけど、余計にお岩さんは不思議そうな顔して近づいて来てしまった。
「アマンダ、どうかなさったの? あら? こちらのお嬢さんはどちら様?」
お岩さんは現世の人間に興味津々な様子で、真美の頭のてっぺんから足の先までジロジロ眺めている。
いまにも噛み付かれそうな勢いにビビッた真美が、『なに? この人』って顔して後ずさった。
真美が後退した分、お岩さんが前進してズイズイ距離を詰めていく。
うおぉぉ、頼む、お岩さん! 不審に思われないよう、全力で自然に振る舞ってくれ自然に!
……あ、ダメだ。お岩さんが自然に振る舞ったら、それが一般人にとっては奇行に見えるんだった。
「えーっと、えっとね、彼女はあたしの親友の、篠田真美(しのだ まみ)ちゃんです」
冷や汗ダラダラで真美を紹介したら、お岩さんのこめかみがピクリと反応した。
「……親友? こちらのお嬢さんはアマンダの親友ですの?」
「う、うん。そうだよ」
「これは、お初に御目文字致しますわ篠田様。わたくし、アマンダの『親友』のジュエルと申します」
『親友』の部分にアンセントを置いて、お岩さんが自己紹介をする。
セーラー服のスカートの裾を摘んで、優雅に腰をかがめて頭を下げるお岩さん流挨拶に、真美がすっかり度胆を抜かれた。
絶句している真美を、お岩さんが挑戦的な目つきで見ている。
やだ、ちょっと、まさかお岩さんてば真美に対抗意識燃やしてる?
やめてやめて! そんな余計な火種を撒かないでいいからー!
「ジュ、ジュエル? ジュエルさん?」
「ええ、ジュエルですわ。どうかアマンダ同様、わたくしのこともお見知りおきを」
「アマンダって、もしかして里緒のこと言ってるの?」
「アマンダはアマンダですわ。その名はわたくしと彼女の間に生まれた、永遠の友情の証ですの」
「アマンダ、どうかなさったの? あら? こちらのお嬢さんはどちら様?」
お岩さんは現世の人間に興味津々な様子で、真美の頭のてっぺんから足の先までジロジロ眺めている。
いまにも噛み付かれそうな勢いにビビッた真美が、『なに? この人』って顔して後ずさった。
真美が後退した分、お岩さんが前進してズイズイ距離を詰めていく。
うおぉぉ、頼む、お岩さん! 不審に思われないよう、全力で自然に振る舞ってくれ自然に!
……あ、ダメだ。お岩さんが自然に振る舞ったら、それが一般人にとっては奇行に見えるんだった。
「えーっと、えっとね、彼女はあたしの親友の、篠田真美(しのだ まみ)ちゃんです」
冷や汗ダラダラで真美を紹介したら、お岩さんのこめかみがピクリと反応した。
「……親友? こちらのお嬢さんはアマンダの親友ですの?」
「う、うん。そうだよ」
「これは、お初に御目文字致しますわ篠田様。わたくし、アマンダの『親友』のジュエルと申します」
『親友』の部分にアンセントを置いて、お岩さんが自己紹介をする。
セーラー服のスカートの裾を摘んで、優雅に腰をかがめて頭を下げるお岩さん流挨拶に、真美がすっかり度胆を抜かれた。
絶句している真美を、お岩さんが挑戦的な目つきで見ている。
やだ、ちょっと、まさかお岩さんてば真美に対抗意識燃やしてる?
やめてやめて! そんな余計な火種を撒かないでいいからー!
「ジュ、ジュエル? ジュエルさん?」
「ええ、ジュエルですわ。どうかアマンダ同様、わたくしのこともお見知りおきを」
「アマンダって、もしかして里緒のこと言ってるの?」
「アマンダはアマンダですわ。その名はわたくしと彼女の間に生まれた、永遠の友情の証ですの」