神様修行はじめます! 其の五
「り、里緒? この人たちも偶然通りがかって、穴に落ちた人たちなの?」
真美が凍雨くんとセバスチャンさんを交互に見ながら、なんとも言えない微妙な表情をする。
男子中学生とモデル風美青年が、なぜかウチの学校の校庭を、たまたま同時に歩き回ってましたって設定からして無理がある。
でもここはゴリ押しするしかない。凍雨くん、セバスチャンさん、なんとかうまく話を合わせてくれ!
「うん! ふたり共、たまたま通りすがったんだって! ね? そうなんだよね!?」
高速で目をパチパチして必死にアイコンタクトするあたしを見て、凍雨くんとセバスチャンさんが、『任せろ』と言わんばかりの表情でうなづいた。
「そ、そーなんだ! ボクは、通りすがりの、普通の男子中学生なんです、だぜっ!」
やたらと緊張しながら胸を張り、無理やり砕けた口調を披露する凍雨くん。
……違うそーじゃない凍雨くん! 努力は買うけど、ハイレベルで不自然!
セバスチャンさんも恭しく左手を前にして腹部に当て、丁寧な所作で頭を下げて挨拶をする。
「わたくしめも、決して怪しい者ではございません。通りすがりのただの執事でございます」
セバスチャンさん! 通りすがりの執事って時点で怪しさ満点パーフェクト!
執事、通りすがんないから! 校庭歩き回んないから!
「あの、あのさ真美! この人たちね、崩落事故のせいでちょっと混乱してるみたいで……!」
「里緒殿~、麻呂を置いていかないでくだしゃりませ~」
「滅火の娘よ、これから我らはどうすればよいのだ?」
「にいぃ~」
あぶら汗をダラダラ垂らしながら必死にごまかそうとしている所に、マロさんとクレーターさんと絹糸親子がやって来て、あたしはマジで頭を抱えた。
真美はもう、ひたすら無言と無表情で彼らの姿を眺めるのみ。
あたしもヤケクソになって叫んだ。
「真美ぃ! こちら、通りすがりのサラリーマンさんと、通りすがりの元ヤンキーさんと、通りすがりの白ネコ親子さん! たまたま校庭を通りがかったんだってー!」
「……ウチの校庭って、どんな不思議な磁場が発生してんのよ……?」
真美が凍雨くんとセバスチャンさんを交互に見ながら、なんとも言えない微妙な表情をする。
男子中学生とモデル風美青年が、なぜかウチの学校の校庭を、たまたま同時に歩き回ってましたって設定からして無理がある。
でもここはゴリ押しするしかない。凍雨くん、セバスチャンさん、なんとかうまく話を合わせてくれ!
「うん! ふたり共、たまたま通りすがったんだって! ね? そうなんだよね!?」
高速で目をパチパチして必死にアイコンタクトするあたしを見て、凍雨くんとセバスチャンさんが、『任せろ』と言わんばかりの表情でうなづいた。
「そ、そーなんだ! ボクは、通りすがりの、普通の男子中学生なんです、だぜっ!」
やたらと緊張しながら胸を張り、無理やり砕けた口調を披露する凍雨くん。
……違うそーじゃない凍雨くん! 努力は買うけど、ハイレベルで不自然!
セバスチャンさんも恭しく左手を前にして腹部に当て、丁寧な所作で頭を下げて挨拶をする。
「わたくしめも、決して怪しい者ではございません。通りすがりのただの執事でございます」
セバスチャンさん! 通りすがりの執事って時点で怪しさ満点パーフェクト!
執事、通りすがんないから! 校庭歩き回んないから!
「あの、あのさ真美! この人たちね、崩落事故のせいでちょっと混乱してるみたいで……!」
「里緒殿~、麻呂を置いていかないでくだしゃりませ~」
「滅火の娘よ、これから我らはどうすればよいのだ?」
「にいぃ~」
あぶら汗をダラダラ垂らしながら必死にごまかそうとしている所に、マロさんとクレーターさんと絹糸親子がやって来て、あたしはマジで頭を抱えた。
真美はもう、ひたすら無言と無表情で彼らの姿を眺めるのみ。
あたしもヤケクソになって叫んだ。
「真美ぃ! こちら、通りすがりのサラリーマンさんと、通りすがりの元ヤンキーさんと、通りすがりの白ネコ親子さん! たまたま校庭を通りがかったんだってー!」
「……ウチの校庭って、どんな不思議な磁場が発生してんのよ……?」